俳優に演技リールが必要な5つの理由
さて突然ですが、演技リールを検討されている場合、その内容はクオリティさえ良ければ何でも良いのでしょうか?ここでは演技リールを用意するにあたって重要な点をまとめていきます。すべてはつまり、あなたがこれから使用する演技リールやデモリール、演技クリップといったモノで俳優としての仕事のチャンスに繋がるかどうか、このシンプルな問いを常に持つ必要があります。仕事の案件を出す側は誰でしょうか。キャスティングディレクターや助監督(日本の制作プロダクションの場合)、監督、プロデューサーなど制作側に向けたものである必要があります。
彼らを驚かせるような優れたショーリールを作成するにはどうすればよいでしょうか?デモリールの長さはどうですか?どんな役が適役ですか?オファーをする側はあなたにどんな事を期待しているか想像した事はありますか?どんな役柄をもらう傾向がこれまでの経験でありましたか?役をした経験が全くない場合にはあなたと長い付き合いの知り合い・友人、またはあなたと短い付き合いの知り合いの2パターンでヒアリングをしてみる事もとても良いでしょう。この客観的な視点は、最も経験豊富な俳優でさえ、時にはセカンドオピニオンが必要な時があるものです。ここで重要な事は「良い芝居だけをすれば良い」というのは幻想で、キャストする人は「~っぽい」という感性を中心にオーディションに呼ぶ傾向がある事を知って下さい。 なので映画やドラマをしっかり見ておくことはあなたという人材がどういう隙間にはまっていけるか、という算段を持つ事にもなるわけです。
この演技リールというテーマは、ほとんどの俳優が卵を指で包んでパンチを繰り出すボクサーのような繊細さで取り組むテーマであるということです。見事な打撃を繰り出す必要がありますが、最大限の繊細さで行わなければなりません。
演技リールとは何ですか?
演技を始めたばかりの方のために説明すると、演技リールとは、俳優としての最高の作品をまとめた映像資料です。通常は90秒~2分程度の短いものですが、キャスティングディレクターやエージェントの中には、より長いバージョンを要求する人もいたりします。演技リールの名称は、演技動画、デモリール、ショーリール、シズルリールなどとも呼ばれます。これらはすべて同じ意味です。演技リールは、今後、あなたをキャストするかもしれない人に向けたあなたの演技・才能・魅力を紹介するポートフォリオとして機能しなければなりません。デモリールは俳優だけのものではなく、ビデオグラファー、照明デザイナー、編集者、その他の関連タレントも、自分の作品を強調したり紹介したりするためにこれを使用します。つまり映像に携わるどの制作者も自分がどんなものを作るのか、というものをプレゼンしたり可視化できるようにリールを用意するんですね。「良いモノを作ります!」と言うよりも映像でそれ見るだけで説得力があるわけです。
なぜ演技リールが必要?ショーリールの重要性
俳優という職業は競合が多く、競争の激しい業界であり、潜在的なキャスティング ディレクター、エージェント、プロデューサーに自分の才能を披露する手段を作る事は必要不可欠です。率直に言って、キャスティングディレクターは優れた才能を評価する一方で、下手な芝居の演技を観て時間を無駄にしたい人はいません。想像して下さい。映画やドラマの役の案件は人気がありますので応募者数はそれ相当のものです。つまりその中から選ぶわけですから単純に忙しいのです。「見た目」「第一印象の芝居」この2点に説得力があるものでなければスキップされます。なのであなたの演技リールには、キャスティングディレクターが最初のクリップの20秒程度、そしてリールを見るのにかかる残りの時間まで釘付けになるような迫力が必要です。だからこそ、あなたの最高の瞬間を最高の形で、可能な限り短い時間で先方に見せる事が重要です。そこで「見た目」「第一印象の芝居」とは具体的にどういうポイントなのかについて考えていきましょう。
キャスティングが演技リールの中であなたの何を見ているのか?
これがもちろんすべてではありませんが、あなたの演技リールを観る前に想定している可能性があるポイントを列挙してみます。ぜひ参考にしてください。
- 役を通してどんな芝居か
- 役を通してどんな声をしてるか
- 役を通してどんな見た目をしてるか
- 本人のプレイできる役の幅はどうか
- 本人の過去の実績や参加作品の規模
- 表現しようとしている感情を本人が感情、声のトーン、表情、ボディランゲージを通して、どのようにしてうまく体現しているか?
キャスティングディレクターや選ぶ制作側は、あなたのタイプ、演技レベル、声、表情、その他の要素を知りたいと思っていると思ってまず間違いないでしょう。
俳優が演技クリップやデモリールを持つことの重要な理由
ここでまとめていきますが、別の記事でも述べましたが、演技クリップやデモリールを持たないといけない、という事は決してありません。逆に持ったからといってそれが必ずしも劇的に変化するものでもありません。背景として、この俳優という職業は、プロジェクトが大きければ大きいほど、非常にたくさんの人の中から選ばれるプロセスがある為に、俳優の営業活動としては演技リールを持つ事はオーディションに呼ばれる為にも避けられないものになってきているという事を踏まえて、そのベネフィット・理由をみていきましょう。
理由①才能を披露
上記でも述べましたが、演技クリップやデモリールを使用すると、潜在的にあなたの才能や演技力を見せることができます。これらのクリップにより、キャスティング ディレクター、エージェント、プロデューサーは、あなたがカメラの前でどのように演技するかを確認する機会を得ることができます。これは、役を獲得する上で不可欠です。例えば、俳優によっては、CM案件用のリール、ドラマ用、さらにコメディ用のリールなどプロジェクトの用途に分けて用意する俳優も少なくありません。
理由②演技の幅をアピール
演技クリップを通して違うタイプの役柄を演じているデモリールを組み合わせる事で、印象のギャップを作り出し、俳優としての演技の幅をアピールする事ができます。さまざまなタイプのキャラクターを演じ、さまざまな感情を伝えるような説得力のあるいくつかのクリップを含めるようにして下さい。
理由③マーケティングツール
演技クリップやデモリールは、俳優にとって欠かせないマーケティングツールとなっています。これらにより、自分をできるだけ魅力的に見せることができ、ウェブサイトやソーシャルアカウント等でURLを常に持っておくことで潜在的なクライアントがあなたを見つける事になりやすくなり、より多くのチャンスを引き寄せることに繋ながっていきます。
理由④実績をアピールする説得力
デモリールはまた、俳優としての実績の証明にもなります。以前参加した映画やテレビなどのプロジェクトのクリップを含めることで、業界での成功実績があることを示すことができます。これは、より重要な役を獲得したり、有名な監督やプロデューサーと仕事をしたりするときに特に役立ちます。
理由⑤強い第一印象
よく練られたデモリールがあれば、キャスティングに向けて強い第一印象を与えることができます。キャスティングディレクターやエージェントが1つの役に対して何百もの応募を受け取った場合、高品質のデモリールが一つあるだけで、他よりも特異となり、注目される可能性が高まります。
演技クリップやデモリールは、業界で成功したい俳優にとって不可欠です。これらのツールを使用すると、自分の才能を披露し、自分の幅を広げ、自分を売り込み、経験を披露し、強い第一印象を与えることができます。高品質のクリップやリールの作成に投資することで、知名度を高め、キャリアでより多くのチャンスを引き寄せることができます。
演技リールには何を入れるべきか?
プロの映像を使用せずにデモリールを作成する必要がある場合は、次のことができます。
- 最高の演技パフォーマンスのクリップ
- 連絡先
- 音楽
- シーンテロップ
最高のパフォーマンスのクリップ
ショーリールの主な要素は、これまでのパフォーマンスのクリップです。第一印象は特に非常に重要です。最初のクリップに少しでも質の低いものを選んでしまうとそのままスキップされると思ってください。そのため、演技リールに使用するクリップがインパクトのあるものになるように、全力を尽くす事が大切です。また、演技リールには、あなたの長所、独自性、最高のセリフを強調されたクリップを含めるようにしてください。
演技リールの作り方
演技リールの作り方は様々なオプションがあります。まず、制作に対して無理をする必要は何もありません。必要な事は俳優としての訓練や実際に撮影する内容をしっかり練って下さい。予算がない場合にはお持ちのスマートフォンで撮影する事もできますし、俳優仲間で集まって自分たちで作る事もできます。映像自体のクオリティが高い方がもちろん説得力は出やすい傾向ですが、肝心の芝居の質もまたはっきりと結果に出るのもまたリールの特徴です。繰り返しになりますが、どちらにしても考えるべき要点はその内容にありますので、作り方自体については以下のリンクより参考下さい。納得させるデモリールであればOKです。予算が組める場合には弊所を含めたプロフェッショナルなサービスで進めるのがいいでしょう。本人との打ち合わせを経て役の提案を含めたオリジナル脚本で作品として制作を企画~ポスポロまで一貫して行います。
モノローグの重要性
演技リールというとシーンやその中の役に集中しがちですが、よく練られたモノローグで良い印象を残すこともできます。以前の役柄や映画のクレジットがあれば役を獲得できる可能性が高まりますが、併せて検討してみてもいいでしょう。モノローグを撮影するには、次のものが必要です。
- 良いカメラ
予算がない場合はスマホのカメラ - 良い台本
※ここが一番重要 - 著作権フリーの音源
- 編集スキル
俳優としての準備が大切
最後までお読み頂きありがとうございました。キャスティングが実際に演技リールの中であなたの何を見ているのか?第三者があなたをどんな人として見ているのか。自分がやりたい役と第三者が物語を作る時、あなたにやって欲しい役が必ずしも一致するとは限りません。そういった発想がある事でちょっとした日常の選択肢も変わっていく事と思います。どちらにしてもこのデモリールというものはあなたの第一印象を決めるものになります。またそのチャンスは一度だけと思ったほうが良いでしょう。低品質のリールより、高品質の一つのリールを手に入れましょう。より大きなプロジェクトにブックされるにはちゃんとした素材があなたの次のステップへと導くでしょう。しかしながら、自分で自慢できるような映像がまだない場合には無理やりリールを組み立てる必要はありません。しっかりと時間をかけて下さい。自分の持つ俳優としてのブランドを入念に計画して予算を注ぎ込んでビジネスへと発展させて下さい。ある新商品が実は劣悪な品質の食べ物があった場合、消費者はその商品を買う事はないでしょう。それと同じようにあなたらしい、あなたにぴったりのタイプキャストで説得力のある芝居を映像・音声ともに高品質で届けきる事が何よりも重要なプロセスです。弊所はその専門を担っていますが、アメリカでは相場ですが、日本での感覚としては決して安い金額ではありません。相談だけでも構いません。依頼しなくても構いません。まずは電話で話しましょう。あなたの目標を聞かせて下さい。
オーディションに呼ばれる努力を
すでに知り合いが業界にたくさんいて、自分の事を良く知っている仲、かつ俳優としてラブコールを受けている人やすでに強力なエージェントのバックアップで売り出される事が約束されている人は問題ないかもしれませんが、そうでない人にとってはオーディションに呼ばれるだけでも一苦労です。セリフがあり、特にドラマ等で特別な役、あなたの人種にあった役はまずインターネットで通常、募集をかけたりしません。エージェントに入る必要もある時期からは出てきます。
とにかく言える事はたくさんの舞台・映画やドラマの作品を観たり、自分の必要な準備をしてください。本を読み、人に会い、業界を知り、そしてあなたのベストなパフォーマンスを証明できる資料を作成する必要があります。それがヘッドショット、ポートレート写真と演技リールなのです。それらの準備物についてもまた記事にする予定です。当サービスは海外向けの演技リールに特化した日本に拠点を置くプロダクションサービスですが、海外の情報はなかなか得ずらい事情も熟知していますので、本記事のような演技リールとは関係なくても俳優に関する質問であれば何でも大歓迎です。ぜひお気軽にお問合せ下さい。